アラキドン酸で脳に栄養補給

アラキドン酸とは

 

 

 

アラキドン酸は、プロスタグランジンを作るための要素で成分は不飽和脂肪酸のひとつです。これは細胞膜中のリン脂質として存在しており、特に脳に多く含まれていて記憶促進などの物質となっています。

 

 

アラキドン酸は殆どの哺乳類にとっては必須の脂肪酸であるとされており、リノール酸などを原料としてアラキドン酸は体内で合成されますが、これだけで必要な量を生産しているというわけではないようです。ちなみにアラキドン酸は植物には殆ど含まれていません。

 

 

実は、赤ちゃんは母乳からアラキドン酸を摂取しています。アラキドン酸は、誕生後脳や身体が著しく発達してゆく授乳期の赤ちゃんにとって非常に大切な成分となっています。お母さんが赤ちゃんに与える母乳には、タンパク質、脂質、糖質、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、赤ちゃんの成長を支える必要成分がたっぷり含まれていますが、この中にはアラキドン酸や前述のDHAも含まれています。

 

 

米国の臨床栄養学博士の研究では、授乳期の赤ちゃんにアラキドン酸、DHAを与えて、知能や運動能力発達の効果を調べた臨床試験も行われ、その効果が認められています。それは生後5日以内の赤ちゃんを3つのグループに分けた実験で、一般のベビーミルク、DHA配合のミルク、DHAとアラキドン酸配合のミルクをそれぞれ生後17週目まで与えて、総合的な知能や運動量を比較したものですが、その結果は、DHAだけではなく、アラキドン酸も配合したミルクで育ったグループが、記憶、問題解決力、言語能力など精神発達指標で最も高い値を示したものになっています。アラキドン酸は、まさに人間の脳にとっていかに重要な成分であるかがわかります。